吃音に対する対応
幼児期に発症する困りごとの一つに、
吃音があります。
吃音に対する対応について簡単にまとめてみました。
1 原因
体質や遺伝などの要因が強い。
育て方により発症するものではない。
吃音に対応する時に、
この点をよく理解してください。
あなたの育て方が悪かったんだとか、
下の子が生まれて、ストレスだった。
などと、関連付けて、罪悪感や、
後悔することは、全く的外れです。
2 自然治癒
1年半以内に3分の1が治癒する。
3年で男児の60%、女児の80%が治癒する。
こんな風に自然に回復することも多いです。
あわてず、経過を見るのも悪くはない。
経過観察も、吃音への対応の選択肢です。
3 誤った理解から、親が罪悪感を持たない。
育て方の誤りで発症したのではない。
原因でお伝えしたように、
あなたが原因ではありません。
罪悪感を持つことは、
改善の助けにはなりません。
吃音への対応を考える上で、
これも忘れてはいけないことです。
しかし、発症した後で、
改善を進めるための工夫はできる。
4 本人に正しい知識を教える。
話題にしないようにすると、
話題にしてはいけない問題を抱えていると感じる。
あなたが悪いのではない。
あなただけではない。
そんなことを教えてあげましょう。
吃音の対応では、
吃音を治そうとすることより、
正しく知ることが、効果的です。
隠そうとすることで、
話すことを回避するなどの二次的な問題が起こります。
それを防ぎましょう。
5 話し方を教えようとしない。
「ゆっくり話しなさい」とか、
「落ち着いて話しなさい」などと、言わない。
多くの保護者の方が、
吃音に対して、このように対応されるのですが、
効果的ではありません。
6 毎日、短時間でも話す時間を設ける。
その時には、親自身がなるべくゆっくりと話して、
お手本を示す。
ゆっくり話なさいとは言わない。
親はゆっくり話して、お手本になる。
話してくれた内容に注目し、反応してあげる。
話すことを、楽しめるようにして、
話すことを避けようとしない。
ちゃんと伝わっていることを伝えてあげましょう。
消極的なようで、効果的な
吃音への対応と言えます。
7 言葉の先取りをしない。
言いにくそうな時に、「・・・なんだね。」などと、
言いたいことを推測して言ってあげたりしない。
吃音に対して、これも、
やりがちな対応ですが、
効果的ではありません。
言えるまで待ってあげましょう。
8 ほめたり、感謝する機会を増やす。
できていることや、話せたことを喜び、
感謝することで、そのままでいいんだ、
という感覚を強める。
これは、吃音への対応というだけではなく、
全ての子育てにおいて、重要な関わりだと思います。
9 からかいやいじめへの対処
学校で見つければ、指導を行う。
本人には、「あなたが悪いわけじゃない。」
ことを伝える。
できれば、
吃音について、友達に説明するスキルを練習する。
のもいいでしょう。
以上、吃音への対応では、
まず、二次的な問題の発生を防ぐのが、
最も重要と言えるでしょう。
吃音そのものより、
吃音を避けたり隠したりするために、
話すことを避けてしまうのが、
問題を大きくします。
子供さんとの会話を楽しみましょう。